経営危機のパイオニアが香港の投資ファンドの傘下に入ることになった。だが、事実上の中国ファンドの傘下となると、ビジネスへの支障が出る可能性があるという。ファンド頼みは資金繰りのための窮余の策だが、パイオニア経営陣にとっては一難去ってまた一難といったところか。

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市販のカーナビ「カロッツェリア」は根強い人気を誇るが……

 次から次へと難題が湧き起こってくる……。今のパイオニア経営陣の気持ちを代弁すると、さしずめこんなところだろうか。

 9月下旬が返済期限の130億円強の借金の金策に奔走し、ようやく香港拠点のベアリング・プライベート・エクイティ・アジアから250億円の融資を受けることに成功。さらにベアリングを引受先とする第三者割当増資で500億~600億円規模の資金を調達することでも基本合意し、当面の資金繰りにはメドがついた。ところがパイオニアには新たな難題が降って湧いている。

 パイオニアの時価総額は9月25日時点で400億円台。ベアリングは第三者割当増資で、筆頭株主どころかパイオニア株の過半数を押さえる可能性がある。そのベアリングが本拠を構える香港は社会主義の中国の中で資本主義が認められた中国の特別行政区。ベアリングの出資者は欧米やアジアの機関投資家など幅広いとみられるが、それでも「中国色」は消えない。そんなファンドの傘下にパイオニアが入る。周囲は中国の存在を気にせざるを得ない。

 優良子会社で自動運転などに欠かせない高精度なデジタル地図データを持つインクリメント・ピー(IPC)には早速、逆風が吹く。高精度3次元地図の整備、実証、運用に向けた検討を進めるため、三菱電機やトヨタ自動車、ホンダ、日産自動車など自動車メーカーが2016年に設立した現在のダイナミックマップ基盤(DMP)にIPCも出資、参画している。DMPは経済産業省なども支援する官民連携事業でもある。

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