新生ファミマ登場で3位転落
三菱商事によるローソン子会社化は、「4つの変化」がここ数年で一気に進んだことが大きい。
1つ目の変化が、2014年に新浪剛史氏がローソン会長からサントリーホールディングス(HD)社長に転じたことだ。新浪氏は三菱商事出身ながら、商品の仕入れなどについて三菱商事グループとは一定の距離を置き続けることで、社内外からの信用を獲得、求心力を高めていった。その結果、「三菱商事とローソンの双方が遠慮する状況が続いていた」(ローソン幹部)。
2つ目が、今年9月1日にファミリーマートがユニーグループ・ホールディングス(GHD)と経営統合し、ユニーGHD傘下のサークルKサンクスを取り込んだことだ。新生ファミリーマートの国内店舗数は1万8240店となり、セブン-イレブン・ジャパンの1万9044店に次ぐ規模になった(8月末時点)。
1万2606店舗(同)のローソンは規模で上位2チェーンに引き離され、取引先や加盟店からは成長性について懸念する声が上がっていた。三菱商事による子会社化には、こうした不安を払拭する狙いもある。「子会社にしておかないと今後、様々なステークホルダーに迷惑をかけるかもしれない。この際、あまり裏でこそこそしない」(関係者)。

3つ目が、三菱商事のトップに垣内威彦氏が就いたことだ。垣内氏は、同社の事業モデルを「事業投資」から「事業経営」へ転換することを目指す。そのため、成長を見込みにくい出資先では株式の持ち分を引き下げる一方、成長期待が大きい出資先では「3分の1より過半数、過半数より100%」(三菱商事関係者)と持ち分を引き上げ、経営の主導権を握っていきたい考えだ。
そして4つ目が、2016年3月期に三菱商事が資源事業で巨額の減損損失を計上し、約1500億円の最終赤字に転落、商社首位の座を伊藤忠商事に奪われたことだ。垣内社長は非資源事業の強化を掲げ、「再びトップに立ち、その地位を守っていく」と宣言した。
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