三菱商事が、ローソンを子会社化する。1440億円を投じて出資比率を50%超に引き上げる。ファミリーマートとサークルKサンクスの統合で、ローソンは店舗数でコンビニ業界3位に転落した。競争激化で揺らぎかねない取引先や加盟店からの「信頼」を、「三菱商事」という金看板で担保する。

 三菱商事によるコンビニエンスストア大手ローソンの子会社化に対して、投資家などから効果を疑問視する声が出ている。ある証券アナリストは、「既に株式の3分の1超を保有し、社長も派遣して経営に深く入り込んでいる。今さら1500億円近くを投じて、これまでと何が変わるのか」と首をかしげる。

 三菱商事は現在、ローソンに33.4%を出資している。TOB(株式公開買い付け)によって出資比率を50%超に引き上げるために投じる金額は約1440億円。過去1カ月の平均株価に約15%のプレミアムを乗せた1株8650円で、来年1月中にも公開買い付けを始める。

 関係者によると、子会社化の狙いは「三菱商事という後ろ盾があることを明確化することで、“逃げない”ことを示し、信頼を担保する意義が大きい」という。既に昨年、出資比率を約32%から33.4%に引き上げ、重要な経営事項への拒否権を確保。今年6月には、三菱商事出身の竹増貞信氏が副社長から社長に昇格し、玉塚元一・前社長は会長となって、三菱商事の関与は強まっていた。

三菱商事の垣内威彦社長は、ローソンの竹増貞信社長のかつての上司。ローソンの主要食品卸である三菱食品の森山透社長は、垣内社長のかつての上司にあたる。今回の子会社化で、ローソンの玉塚元一会長の去就にも注目が集まる(写真=2点:陶山 勉)