ワンセグ付き携帯電話の所持だけでは受信料の支払い義務がないと断じた、さいたま地裁判決。受信料改革を巡り、つばぜり合いを演じてきたNHKと総務省の関係性を変えた。だが休戦は一時的。本格化する受信料義務化の議論で、再びたもとを分かつことになりそうだ。

NHKと所管する総務省の見解は奇妙に一致
●さいたま地裁の判決に対する主な関係者のコメント
(写真=4点:時事)

 ワンセグ機能が付いた携帯電話を所持しているだけでは、NHKの受信料を支払う義務がない──。

 さいたま地裁が8月26日に出した判決が、緊張関係にあったNHKと総務省の間に“奇妙な連帯感”を生んでいる。

 NHKは地上波テレビ放送を視聴できるワンセグ付き携帯電話を受信契約の対象として解釈し、受信料を徴収してきた。「ワンセグ付き携帯電話についても受信料をお支払いいただくことを主張していきたい」。9月8日の定例記者会見で、NHKの籾井勝人会長はこう強調し、判決を不服として控訴したことを明らかにした。

 判決の妥当性を認めれば、全国で受信料の返還訴訟が相次ぎ、営業現場は混乱する。受信料の収入減も避けられない。「譲れない一線」であることを考えれば、籾井会長の強気の姿勢は当然だろう。