「お客や加盟店のためなら、バカでも何でもやる」新生ファミリーマートの社長に就いた沢田貴司氏は、改革の決意を語った。20年前に「家出」した伊藤忠グループに呼び戻された沢田氏には、巨大チェーンの人心掌握が問われる。

沢田社長は「中食」のアピールに力を入れる方針。(写真=的野 弘路)
7月には都内のファミマ店舗でスタッフ研修も受けた

 「出来の悪い家出坊主を呼んでくれたわけだから、本当にありがたいことです」。ファミリーマート社長に9月1日就任した沢田貴司氏は、日経ビジネスのインタビューで率直にそう話す。

 家出坊主とは新卒で入社した伊藤忠商事を、1997年に飛び出した沢田氏自身のことだ。沢田氏は当時、伊藤忠社長に直々に手紙を書いてまで、強く関心を持っていた小売業への本格参入を訴えていた。だが当時の同社幹部は「時期尚早」として首を縦に振らない。これが退社の要因だった。

 だがその後、伊藤忠は、沢田氏が退社して間もない98年に、ファミリーマート(現ユニー・ファミリーマートホールディングス)に出資して筆頭株主になる。このとき沢田氏は、既にファーストリテイリングに転じていた。副社長などのポストに就いて、同社の柳井正社長から直接、指導を受け、経営のイロハを身につけた。

 それから約20年後に待っていたのが、コンビニエンスストア会社の社長という大舞台だった。伊藤忠を飛び出してから衣料品や外食など様々な業界で経験を積んできた沢田氏は、会社をどう変えるのか。まず取り組むのは「ファミマといえばこれ」と客が思い浮かべるような看板商品の育成だ。