相次いだ値上げで客離れ

 外食業界はつい2~3年前まで、高単価商品が支持される「ちょい高ブーム」に沸いていた。日本フードサービス協会の調査でも、2013年以降はファミリーレストランを中心に、客単価と客数がいずれも前年を超える現象が見られた。牛肉などの原材料費の値上がりもあったが、「値上げしても、消費者に受け入れられる雰囲気があった」と業界関係者は口をそろえる。

 大手牛丼チェーン「吉野家」は、280円だった牛丼並盛りを2014年に2回値上げして380円とした。2014年4月の消費増税では、増税分を転嫁した企業が多く、さらに上乗せして値上げする企業もあった。素材の増量や国産化など付加価値を強調して、価格を改定する動きも見られた。

 ところが2015年に状況が一転。同協会の調査でも客単価が上昇する一方で、客数減少が顕著になった。最近はそうした消費の変調が各社を直撃する。

 「ケンタッキーフライドチキン」を展開する日本KFCホールディングスは、共通ポイント「Ponta」の会員データから消費者の節約志向を感じているという。「辛さが強いチキンなど付加価値のある商品はよく売れている。だが、今年に入り、定番商品をあと1品買うといった傾向は昨年よりも見られなくなった」(広報担当者)。

客数はなかなか回復しない
主要外食チェーンの客数の前年同月比(既存店)
客数はなかなか回復しない<br /> <span>主要外食チェーンの客数の前年同月比(既存店)</span>
注:安定した安値で提供する「サイゼリヤ」と「日高屋」は、客数の変動が少ない
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