定番メニューの値上げが続いた外食業界だが、最近は一転、値下げが目立つ。消費マインドの落ち込みが一層鮮明になる中、安価なメニューで顧客を呼び戻そうとしている。だが人件費などコスト高はいかんともしがたく、値下げ競争にも限界がありそうだ。

(写真=陶山 勉)

 「マクドナルドはランチにいかに稼ぐかが勝負。人気のあるバーガー類が対象なので、客数の増加が期待できる」。マクドナルドのあるフランチャイズ店オーナーはこう話す。

 9月12日、日本マクドナルドは、平日のランチ限定のセットを発売した。「ビッグマック」などのハンバーガーとドリンクのセットで、ポテトは含まずに400円(税込み、以下同)。「お得感」が最大の目玉だ。「てりやきマックバーガー」など従来の620円のセットを、550円に値引きするのも特徴だ。

 日本マクドナルドは、昨年10月に平日昼のランチセットを廃止し、代わりに200円のハンバーガーと500円のセットを売り出した経緯がある。「全時間帯で、手ごろな値段で買える点が支持されて、8000万食以上と順調に売れている」と下平篤雄・副社長兼COO(最高執行責任者)は話す。

 ではなぜ同社は1年もたたずにランチセットを復活させたのか。マクドナルドは中国の鶏肉使用期限切れ問題などが影響した深刻な客離れから、回復しつつある“病み上がり”。最近の消費の変調は、再生に冷や水を浴びせる恐れがある。なりふり構わず安値を打ち出す同社の戦略は、外食業界に再び訪れたデフレの兆しを象徴している。