外国人投資家は、ここ1カ月ほどで日本株を累計8500億円分売り越した。北朝鮮リスクの高まりが「日本離れ」につながっているが、理由はそれだけではないようだ。日本市場を見る上で外国人が重視する「安倍政権の安定性」。そのリスクにも目を凝らしている。

外国人の動向は相場を大きく左右する
●日経平均株価と外国人投資家の売買動向

 株式市場で外国人投資家の売り姿勢が目立っている。東京証券取引所が毎週発表する投資部門別売買動向によると、外国人投資家は7月第4週以降、6週連続で日本株を売り越した。この間、累計で8524億円分、売りが買いを上回ったことになる。2016年の年間売り越しが約3.7兆円だったことを考えると直近は慎重さが強まったといえる。

 8月下旬以降、立て続けに起きた北朝鮮による軍事的挑発は、そんな外国人投資家の「日本離れ」に拍車をかける結果となった。8月26日、29日のミサイル発射に加えて、9月3日には6回目の核実験を実施。地政学リスクが意識され、外国人投資家の日本株への投資意欲は冷え込んでしまった。

 英国系のある年金基金は、東証株価指数(TOPIX)の上場投資信託(ETF)を通じて日本株に投資していたが、8月29日に、資金全体に占める日本株のウエートを引き下げた。「ミサイル発射が短期間に2回も続いたため、一旦資金を引き揚げた」と、この年金基金の幹部は話す。