JR東日本が鉄道への自動運転の導入を検討していることが明らかになった。プロジェクトチームを発足させ、導入に向けた課題を洗い出している。自動車やIT企業と競いながら次世代交通サービスの基盤を押さえる野望がある。

<b>JR東日本はメンテナンスのためセンサーなどで線路の状況を調べる新型車両を山手線に導入した。自動運転は現状、導入路線を決めていない</b>(写真=HIROYUKI OZAWA/アフロ)
JR東日本はメンテナンスのためセンサーなどで線路の状況を調べる新型車両を山手線に導入した。自動運転は現状、導入路線を決めていない(写真=HIROYUKI OZAWA/アフロ)

 電車に自動運転を導入する──。大きな目標に向けてJR東日本が動き出したことが本誌の取材で分かった。今春、鉄道事業本部の運輸車両部に次世代運転・制御プロジェクトを設置し、導入の検討に入った。

 当初、プロジェクトチームには運輸車両部の人材だけを起用したが、このほど信号系や電気系、システム系など幅広い部門からも人材を集めて、社内横断的な知見を持ち寄る体制を整えた。

 チームは車両メーカーからヒアリングをしたり、すでに自動運転が導入されている仏パリの地下鉄を視察したりして課題の洗い出しを進めている。課題を整理して開発の方向性を固めたうえで、導入する路線や時期を決める。高架や地下を走るものではない一般的な鉄道の路線で自動運転を導入するのは世界で初めてとみられる。

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