中国のモバイル決済提供企業が日本の地方を攻めるのは、別の思惑もある。中国ではモバイル決済の浸透が早く、都市部では普及率が9割を超える。自国での伸びに頭打ち感が出ていることに加えて、今年に入り中国当局はアリババとテンセントがそれぞれ運営する資産運用サービス「余額宝」「理財通」の預け入れを制限するなど、IT企業に対する規制を強めている。自国で逆風が吹き始める中で、成長を続けるには海外での普及拡大が欠かせない。

「日本版アリペイ」は白紙に

 アリペイはもともと、今年4月に日本の銀行口座を持つ消費者向けにサービスを開始することを表明していた。既に東南アジアにシステムを「輸出」した実績があり、海外展開を強化する考えだった。だが、直前になってサービス開始は白紙となった。「日本の金融機関が決済口座に接続するのを嫌がった」ことが背景にあるとの観測が出ているが、関係者は口をつぐむ。

 計画は頓挫したものの、地方での加盟店を増やし、伸び続ける中国人観光客の利用拡大には力を入れる考えだ。地域経済の衰退に歯止めをかけたい日本の地方とウィンウィンの関係を築けるか。

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日経ビジネス2018年9月10日号 17ページより目次

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