新型がん治療薬「オプジーボ」に端を発した高額薬剤問題。ここに来て対策協議が本格化する中、水を差した格好なのが日本医師会だ。前言を撤回する変節ぶりに、厚生労働省は頭を抱えている。

(写真=読売新聞/アフロ)

 「一体、何を考えているのか?」──。厚生労働省内からはそんな怨嗟の声が聞こえてくる。

 厚労相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)では7月末から高額薬剤問題を巡る議論が始まった。近年、新しい作用メカニズムを持つ画期的な新薬が相次ぎ登場。劇的な効果が期待できる半面、薬価の高騰が国民皆保険の維持に大きな影響を及ぼすとして、問題視されるようになっていた。

 高額薬剤問題に火を付けたのが、小野薬品工業のがん免疫治療薬「オプジーボ」。標準的な投与方法で薬代が患者1人当たり年3500万円もかかる。事態を重く受け止めた厚労省は7月27日の中医協総会に、高額薬の価格を柔軟に見直すことや、適正使用の推進に向けた指針づくりを急ぐ考えを提示した。

 その後、具体的な検討を進める中医協・薬価専門部会を8月24日に開催。当面の対応として、次回の薬価改定を待たず、オプジーボの薬価を緊急に引き下げる異例の「期中改定」を提案した。通常、薬価改定は2年に1度行われ、次回は2018年度に予定されていた。

我田引水、ここに極まれり
●中医協総会などにおける日本医師会の主な発言