規模の次は質が課題に

店舗の「稼ぐ力」では差が大きい
●1店舗当たりの1日の平均売上高(日販)
注:2016年5月末時点。「新ファミマ」は2019年2月期までに1000店舗を閉鎖・移転予定

 問題は質だ。ファミマ1店舗当たりの1日の平均売上高(日販)は51万4000円、サークルKサンクスは42万9000円。単純計算ではじき出した新生ファミマの日販も約48万円強と、セブンの64万5000円に大きく見劣りする。上田氏はかねて「3年以内に日販60万円を達成したい」と語ってきたが、両社の差はまだまだ大きいのが現実だ。

 追い上げるには、統合を主導するファミマの側に、サンクスとサークルKにとって力になり得る有効な経営資源がなければならない。布石は打ってきた。そのひとつが、2014年から進めてきた弁当や総菜の商品力アップだ。

 「今年のおでんは革新的」。ファミマ商品本部の島田奈奈ファストフーズ部長は8月下旬、今冬の新商品発表会で胸を張った。具材ごとに別々だった調味料を統一し「まとまりのある味を実現した」(島田氏)。材料や製法の変更によりコストはかさむが、値上げは一部にとどめた。つゆも冷蔵して店に届けるなど物流体制から変えたという。

 持ち株会社の副社長に就く中山氏(9月からファミマ会長)は「トップチェーンとの日販の差は、中食の差だ」と指摘する。中食とは店で購入し、家に持ち帰って食べる商品のこと。共働き世帯の増加などで、夕方から夜にコンビニを訪れる消費者が増えている。今年度末までにひじき煮やマカロニサラダといった総菜を全面刷新し、取扱商品数もこれまでの2倍の約40品目に引き上げる。店舗名の統一とともに、順次品ぞろえも合わせていく方針だ。

 商品力の向上と同時に、商品を売るための仕組みづくりにも取り組む。FC(フランチャイズチェーン)契約の刷新はそのひとつだ。

 まずは弁当をはじめとする食品の廃棄ロスへの助成金を新設する。これまで食品が売れ残ると、加盟店負担で廃棄していた。今後は一定額をファミマ本部が負担する。売れ残りを恐れる加盟店が少なめに発注すると、食品が売り切れて棚が空き、顧客離れが起きる。こうした事態を防ぐための本部による支援だ。一方、加盟店が払う、ロイヤルティー(経営指導料)は引き上げる。