三井住友海上は8月24日、シンガポール損害保険最大手を買収すると発表した。取得価格は約1755億円。2016年の英アムリン買収に続き、海外シフトを急ぐ姿勢を鮮明にする。自動ブレーキ導入で交通事故は減少している。将来の国内市場縮小に備えた模索が続く。

<b>MS&ADは海外売上高比率を5割に引き上げる目標を掲げる</b>(写真=ロイター/アフロ)
MS&ADは海外売上高比率を5割に引き上げる目標を掲げる(写真=ロイター/アフロ)

 「発表日の早朝まで社内の意見が分かれていた」。三井住友海上火災保険の幹部はこう打ち明ける。同社は約1755億円を投じて、シンガポールの損保最大手ファーストキャピタルの株式約98%をカナダの大手金融フェアファクスから買い取ることで合意したが、ぎりぎりの決断だったようだ。

 ファーストキャピタルは火災保険や船舶保険などを手掛けており、東南アジアの現地企業への広い営業網を持つ。今回の買収によって、「ASEAN(東南アジア諸国連合)地域での地位向上につながる」と海外事業を担当する川手環・常務執行役員は強調する。

 とはいえ、今回の案件は決して安い買い物ではない。2000億円近い買収額に対し、ファースト社の2016年の純利益は約70億円。のれん代として約1230億円計上する見込みだ。ある損保大手の経営トップが「世界中で株高の中、ずいぶん思い切ったな」と漏らすほどだ。

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