米テキサス州の港街、フリーポート。経営再建中の東芝にとって、この地が新たな震源地となる。LNG(液化天然ガス)を引き取る契約のため、最大で約1兆円に達する損失リスクを抱えているのだ。原発建設計画の蹉跌が、“負の遺産”として東芝に襲いかかろうとしている。

2つの現場は70kmの近さにある
●東芝が米テキサス州で手掛ける発電関連ビジネス
(写真=左:AP/アフロ、右CG:Freeport LNG Development, L.P.)

 「この件については定期的に、商談の状況を皆さんに説明したい」

 8月12日に開かれた東芝の2016年4~6月期決算会見。CFO(最高財務責任者)の平田政善は、あるプロジェクトの説明を始めた。「フリーポートLNG(液化天然ガス)」事業。経営再建中の東芝が抱える新たな火種だ。損失リスクは最大で約1兆円に達する。

 東芝がこれほど巨額のリスクを抱えるようになった理由を先に示そう。フリーポート事業は原子力発電プロジェクト失敗に伴う“負の遺産”である。

 東芝は2013年9月、米フリーポートLNG社と天然ガスの液化加工契約を交わした。テキサス州フリーポートの液化基地で生産するLNGを、2019年から20年間、東芝が引き取る。

原発建設の救済がフリーポートの使命
●東芝が手掛けるLNG事業の概要と、原子力事業との関係