セブンイレブンなどコンビニエンスストア各社が移動販売事業に本気で取り組み始めた。既存店の客数が伸び悩むなか、自ら客の元に出向いて潜在ニーズを取り込む。地方の過疎化と高齢化で需要は確実に増えるが、安定して稼げる事業に育つかどうか。

8月上旬、坂の多い熱海市内を走るセブンイレブンの移動販売車。高齢者住宅(下)では一定の売上高があるが、住宅街などでは集客に課題も

 温泉保養地として知られる静岡県熱海市。海岸に迫るようにそびえる山あいの土地からは相模湾が一望でき、風光明媚な「オーシャンビュー」を目当てに、別荘や宿泊施設が立ち並ぶ。

 2016年10月、セブン-イレブン・ジャパンのロゴをあしらった1台の軽トラックが同地で走り始めた。自力で店舗に足を運ぶのが難しい買い物弱者をターゲットに据えた、移動販売車だ。

 荷台に積み込まれるのは野菜や果物など生鮮品のほか、菓子や飲料、日用雑貨など約200種類の商品。ふもと近くにあるセブンイレブン熱海中央町店をベースに、「走るコンビニ」として週4日、正午から夕方まで団地や老人ホームなど10カ所前後を巡回する。