コンビニエンスストアが慢性的な来店客数の減少に苦しんでいる。各社は客単価を引き上げて売り上げを確保しようと、商品力の強化や販促策を矢継ぎ早に打ち出す。一定の効果は出ているものの、客数減少はコンビニの根本的な競争力の低下を示している。

 「客単価を700円以上に押し上げられるかが力の見せどころ」。大手コンビニのある関係者はこう話す。コンビニでは1回の購入金額が600円台の来店客が多いとされる。この客単価をいかに上げるか。各社は知恵を絞っている。

 例えば買い物をするたびに引くことができる抽選くじ。ローソンがアイドルグループ「欅坂46」とのコラボで8月から始めたキャンペーンでは、700円以上の商品購入でくじが1枚もらえる。欅坂のメンバーに会えるイベント参加権や、店内商品が当たる。600円分を買おうとする客に、何とかもう一品買ってもらおうという狙いが見える。

コンビニ3社の客数は軒並み減少傾向
●既存店の売上高・客数・客単価の前年同月比増減率

 「揚げたてのファミチキいかがですか?」と一人が声がけすれば、店員全員がそれを復唱する。ファミリーマートの店に入ると、こんな大きな声が聞こえる。レジ横の商品の宣伝で、もう一品買ってもらえば客単価は上がる。

 こうしたFC(フランチャイズチェーン)加盟店の地道な努力で、客単価は上昇傾向だ。今年に入ってから7月まで、セブン-イレブン・ジャパンとファミリーマートは全ての月で前年同月比プラス。ローソンも4、5月を除き増えている。

 しかし、手放しで喜べる状況ではない。小売業の生命線である来客数が減っているからだ。3社とも、今年1~7月まで、前年実績を上回った月はない。その結果、セブンは売上高の増加を維持するものの、ファミマとローソンの売上高がプラスだったのは1カ月だけだ。

 コンビニの国内店舗数は5万5000店を超える。ファミマは実質買収したサークルKサンクスの店舗のブランド転換を優先するが、セブンとローソンは年に1000店以上の出店を続けている。「市場が伸びない中で出店を続け、客を奪い合っている」(野村証券の青木英彦アナリスト)という背景があるが、そのほかにも要因がありそうだ。

 一つは多様な業態が都市部に出店し、コンビニ包囲網とも言える状況ができていること。コンビニとさほど変わらない規模の小型スーパーや、食品を強化したドラッグストアが大量出店しており、ともにコンビニより圧倒的に安いことが集客の武器になる。

 どれほど安いのか、東京都大田区の蒲田駅周辺の店舗で検証してみた。

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