東芝が「限定付き適正」意見が付いた2017年3月期の有価証券報告書を提出した。一歩前進したのは間違いないが、監査法人と対立した半年間で経営は混迷を深めた。メモリー事業の売却交渉は膠着し、人材流出も後を絶たない。危機はまだ続いている。

<b>東芝の綱川智社長は2018年3月末までのメモリー事業売却を「独禁法を考えると容易ではない」と認めた</b>(写真=竹井 俊晴)
東芝の綱川智社長は2018年3月末までのメモリー事業売却を「独禁法を考えると容易ではない」と認めた(写真=竹井 俊晴)

 「決算は正常化された」──。東芝の綱川智社長は8月10日、これまでの鬱憤を晴らすかのように宣言した。

 東芝は同日、延期していた2017年3月期の有価証券報告書を関東財務局に提出した。会計監査を担当するPwCあらた監査法人の承認が得られない状態が約6カ月続いていたが、ようやく決算が「無い」状態が解消された。

 東芝とPwCあらたとの間に亀裂が生じたのは昨年末。米原子力子会社ウエスチングハウス(WH)を巡る巨額損失の認識時期で意見が対立し、今年2月以降、監査意見が付いた財務諸表を提出できない事態に陥っていた。

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