出光創業家が求めた増資の差し止め請求は、裁判所に却下された。巨額増資が実施され、創業家は持ち株比率を大きく下げ、「拒否権」を失った。会社は合併に近づいたが、増資の手法や妥当性に各界から疑問の声が上がっている。

 「統合は進むだろうが、創業家の追い落とし方は今後に大きな禍根を残すだろう」。出光興産の経営について、証券アナリストはそう苦言を呈する。

 出光は7月20日、計画通りに公募増資を実施、発行済み株式の3割にあたる4800万株を新たに発行し、約1200億円を調達した。これにより創業家の持ち株比率は33.92%から26%程度に低下。3分の1以上の持ち株比率が必要な昭和シェル石油との合併の「拒否権」を失ったことになる。