米テスラの対抗馬とされる中国企業傘下の米EVベンチャーが工場建設を中断した。早くも淘汰の波が押し寄せる中国EV業界。だが、そんな荒波も中国政府は「織り込み済み」のようだ。逆に競わせることで、EV化が進む世界の自動車産業で覇権を握る。その野望は揺らがない。

テスラの「モデルS」を最高速度などで凌駕するとアピールするファラデー・フューチャーのEV「FF91」

 どうして火中の栗をわざわざ拾うのか──。7月17日、世界の自動車業界がざわついた。EV(電気自動車)ベンチャーの米ファラデー・フューチャーが、独BMWでEVが中核の「iシリーズ」のトップを務めたウルリッヒ・クランツ氏をCTO(最高技術責任者)として迎え入れると発表したからだ。

 ファラデーは1000馬力で世界最高速クラスのEV「FF91」を開発し、テスラのライバルとして注目を浴びている。それでも業界関係者が「火中の栗」と見なすのはファラデーが深刻な経営危機に陥っているから。新CTO発表のわずか1週間前には、EV量産に向けて進める米ネバダ州での工場建設を中断することを明らかにしていた。

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