ヤマト運輸による荷主との運賃値上げ交渉が本格化している。重い荷物と長い距離の配送は特にコストがかかるため、値上げ幅が大きくなる見込み。この動きに佐川急便も追従しており、荷主側では、物流網の見直しや共同配送の動きが加速しそうだ。

 「いきなり、ヤマト運輸から尋常ではない運賃の値上げ幅が提示され、それをのめなければ取引を打ち切ると、一方的に通達される。他に頼める相手がいないので、『ちょっと待ってください』というところから交渉が始まるケースが多い」。ある通信販売会社の関係者はこう言う。

 ヤマトによる荷主との運賃交渉が本格化している。同社は9月末までに約1000社の大口顧客との間で、運賃の値上げや取り扱う荷物の総量抑制について交渉を終える方針だ。値上げ率は平均15%以上とされるが、荷主によっては従来のサービスを存続できなくなるほどの値上げを提示されている。

“重く遠い”企業はダブルパンチも
●宅配運賃値上げ影響の概念図
“重く遠い”企業はダブルパンチも<br />●宅配運賃値上げ影響の概念図
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 本来、荷物の輸送コストは、重さやサイズ、距離などによって異なる。しかしヤマトは大口顧客に対し、大幅な割引や全国一律料金などを提供してきた。それを本来の姿に戻すのが今回の運賃交渉で、佐川急便もヤマトに追従。その手法が「あまりにも急だ」(ある食品メーカー)と荷主からは怨嗟の声が上がる。

 特に影響が大きいのが、重くサイズも大きい荷物や長距離の輸送を依頼してきた荷主だ。その一つが、水を入れた大きなボトルをオフィスや個人宅に設置するウオーターサーバーの業界である。

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