<b>悲願の改憲に近づくためにも、まずは経済最優先の姿勢を強調している</b>(写真=AFP=時事)
悲願の改憲に近づくためにも、まずは経済最優先の姿勢を強調している(写真=AFP=時事)

 32の1人区で野党統一候補が実現し、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられるなど、幾つもの注目点があった今回の参院選。終わってみれば、自民党、公明党の与党が勝敗ラインに掲げた改選過半数を大幅に上回る議席を獲得し、憲法改正に前向きな勢力は改憲の発議を可能にする衆参両院の3分の2を占めた。

 消費増税の先送りを決め、「参院選で国民の信を問いたい」と訴えた安倍晋三首相。有権者から一応のお墨付きを得た格好だが、真っ先に勝因に挙げられるのが安倍首相や政権幹部による周到な戦略だ。

 参院選で大きく議席を減らすようなことがあれば、2018年9月までの自民党総裁任期を前に政権のレームダック(死に体)化は避けられない。安倍首相や政権幹部は昨年の夏から参院選に向けた仕掛けに着手していた。

 最終的に見送ったものの、参院選との相乗効果を狙った衆参同日選の準備や、有権者の負担を回避する消費増税の2年半の延期はその一環だ。昨年秋に打ち出した「一億総活躍社会」の実現も、格差是正など民進党の得意領域にウイングを広げる「争点つぶし」の意味合いが大きかった。

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