公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人が、新たにESG投資を始めた。「環境」「社会的課題への取り組み」「企業統治」に優れた企業に投資し、運用成績を高めることが表向きの狙い。ただ、背景には、日本株比率を高めた運用が曲がり角を迎え、それを突破したい思惑も透けて見える。

ESG投資に取り組むGPIFの高橋則広理事長(写真=時事)

 厚生年金、国民年金など公的年金の積立金約145兆円を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、ESG投資と呼ばれる新たな手法に取り組み始めた。ESG投資は環境(E)への配慮や、社会(S)的な課題への取り組み、企業統治(G)に優れた企業を選び出して運用をするもの。GPIFはこれに基づいて6月末までに既に1兆円を日本株に投資しており、今後数年で3兆円程度まで増やしていくという。

 ESG投資は欧米で先行しているが、日本ではこれから。高橋則広・GPIF理事長は「ESGは長期的に価値を増大する企業への投資。収益も期待しているし、相場全体が下がった時に歯止めになるとも考えている」と長期的な収益拡大が見込める点を強調する。