昭シェルとの合併を創業家に阻まれている出光が、「反撃」の公募増資に踏み切る。建前の理由は、財務改善や投資だが、本当の狙いは創業家の持ち株比率の希釈化とみられる。わずか4日前の株主総会で説明せず、関係者や株主から「欺かれた」と批判され、波乱を予感させる。

創業家の拒否権が封じられる
●現在の出光創業家の持ち株比率と公募増資後の変化(予想)
創業家の拒否権が封じられる<br />●現在の出光創業家の持ち株比率と公募増資後の変化(予想)
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 「これで、創業家は絶対的な存在ではなくなる」。7月3日、石油元売り大手、出光興産の関係者は興奮気味に語った。「これ」とは出光が発表した公募増資計画を指す。現在の発行済み株式数の約3割に当たる4800万株を新たに発行し、最大1385億円を調達する。

 「財務戦略上、必要だ」(出光広報CSR室)というが、出光創業家の持ち株比率を減らす狙いが込められていることは明らかだ。3分の1以上の株式を握る創業家が昨年の株主総会で、昭和シェル石油との合併に反対を表明。月岡隆社長らが今年4月に計画していた合併は暗礁に乗り上げた。だが、増資すれば、創業家の持ち株比率が低下し、拒否権を行使できなくなる。

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