2018年3月末までのメモリー事業売却に向け、東芝が産業革新機構などに優先交渉権を与えた。「日米韓連合」は買収額として2兆円超を提示したが、独占禁止法などの課題は残ったままだ。好調なメモリー市況が反転すれば、事業価値の算定根拠が揺らぎかねない。

 「かなり時間はかかったが、ほぼベストといえる選択だ」

 フラッシュメモリー事業の売却先として「日米韓連合」に優先交渉権を与えた6月21日夜、東芝首脳の一人は交渉がまとまった解放感からか、思わず安堵の声を漏らした。

 東芝が選んだのは、官民ファンドの産業革新機構と日本政策投資銀行、米投資会社ベインキャピタルの3社を軸とするコンソーシアムだ。入札金額は2兆円超の見通しで、国外への技術流出懸念などを「総合的に評価し」(東芝)、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業などを退けた。東芝は2018年3月末までの売却完了を目指す。