日本航空(JAL)の戦略策定の中枢にいた乗田俊明取締役が、6月22日の株主総会で退任する。今年4月にスタートした中期経営計画の方向性を巡り、慎重路線の植木義晴社長と対立していた。中計発表後、JALの株価は低迷し、同社の成長戦略には大きな疑問符がついている。

(写真=左:北山 宏一、右:Aviation Wire)
(写真=左:北山 宏一、右:Aviation Wire)
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 6月22日に開催される日本航空(JAL)の株主総会。壇上に居並ぶ植木義晴社長(64)ら取締役は、4カ月前のある光景を思い出すに違いない。

 2月22日。乗田俊明取締役(59)は、株総で再任される予定の新たな役員リストに自分の名前が入っていないことを知り、衝撃を受けた。退任するのは、社外を含め11人いた取締役の中で乗田氏だけ。同日、東京・品川の本社で開かれた取締役会で、その新体制は決定された。乗田氏は当日まで何も知らされておらず、事実上の解任である。

 この懲罰的ともいえる人事は、一瞬にして業界を駆け巡った。乗田氏は社内外から「次の社長候補」と目されていた人物だったからだ。それまで経営の中枢で中長期戦略を策定してきた。競合のANAホールディングス(HD)経営陣からも、「戦う相手として手ごわい」と一目置かれる存在だった。その後、経営戦略部部長だった梅原秀彦氏も関連会社への出向を命じられており、「経営企画の中枢から“乗田派”が一掃された」と業界関係者は見た。

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