海外要因に一喜一憂する主要銘柄の動きとは対照的に、時価総額の小さい中小型株への人気が高まっている。主導するのは個人投資家。投資信託を通じた資金流入も多く、IPO(新規株式公開)も盛り上がりを見せる。一方で、資金流入が増えすぎ、新規販売を停止するファンドも相次ぐ。過熱を懸念する声も出始めた。

純資産が1年で4倍になるファンドも
●新規販売を停止した主な投資信託
純資産が1年で4倍になるファンドも<br /><span>●新規販売を停止した主な投資信託</span>
注:6月4日時点。ファンド名、運用会社名は一部略称
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 日本株相場の動きに不安定さが増している。イタリアなど欧州の政治リスクが台頭したほか、保護主義に傾斜する米トランプ政権の姿勢があつれきを生んでいることなどが背景にある。そんな中、投資家の根強い人気を集めるのが中小型株だ。日経平均株価が前週の終値比479円安となった5月第4週、東京証券取引所の投資部門別株式売買動向で、マザーズ市場、ジャスダック市場は買いが売りを上回った。

 日本を代表する主要銘柄が海外要因に振り回される中、相対的に高いパフォーマンスを出していることが背景にある。中小型株は国内市場で事業を手掛ける企業の割合が大型株よりも高く、株価が為替変動の影響を受けにくいほか「一般に外国人の保有比率が低い」(国内運用会社)ため海外投資家の動きによる影響が小さい。

 中小型株市場を買い支えているのは個人投資家だ。銘柄選びでは、機関投資家に比べ、成長力を重視する傾向がある。その旺盛な投資意欲はIPO(新規株式公開)の盛り上がりからも見て取れる。今年に入って5月までに上場した25社のうち、23社の初値が公募価格を超えた。

 4月に上場したAI(人工知能)ベンチャー、HEROZ(ヒーローズ)は、4500円という公募価格に対して初値が4万9000円と約11倍の値を付けた。6月にはフリマアプリのメルカリも東証マザーズ上場を控えている。

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