米格付け会社のムーディーズが中国国債の格付けを引き下げた。景気刺激策などによる債務増加が理由だ。「適切でない方法で格付けを下げた」。中国政府は反論するが、国有企業を含めると債務残高は高水準。海外市場で資金調達する中国企業に悪影響が出るのは避けられず、景気の不安材料になりそうだ。

 「エコノミストや企業関係者の間では、債務比率の大幅引き下げは意識されていない。現在の水準より増えなければいいとする認識が大半だった」。3月下旬に中国を訪れた大和総研の齋藤尚登エコノミストはこう振り返る。中国の政府債務はここ5年の間に金額ベースで約2倍、企業債務もそれを上回るペースで膨張している。だが現地の雰囲気は楽観的だったという。

 そんな楽観に格付け会社が冷や水を浴びせた。

 5月24日、米ムーディーズ・インベスターズは中国の長期国債の格付けをこれまでの「Aa3」から「A1」に1段階引き下げた。同社は「力強い経済成長を維持するため景気刺激策への依存が高まっている。経済全体の債務を増加させる要因となるだろう」と、引き下げの根拠は財政状況の悪化にあるとした。

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