5月13日時点で1000万人を超えた今年の訪日外国人(インバウンド)数。政府が掲げる「2020年に4000万人」の目標達成も視野に入るが、観光業界はもうその先をにらんでいる。外国人客を日本以外の国・地域に送り込む「第三国観光」だ。勝算はいかに。

<b>OTSレンタカーを運営する沖縄ツーリストは台湾や韓国からの顧客をニュージーランドに送り込む</b>(写真=河野 哲舟)
OTSレンタカーを運営する沖縄ツーリストは台湾や韓国からの顧客をニュージーランドに送り込む(写真=河野 哲舟)

 沖縄本島南部で那覇市に接する豊見城(とみぐすく)市。那覇空港からのシャトルバスが到着すると、スーツケースを持った観光客がなだれ込むカウンターがある。地元の中堅旅行会社、沖縄ツーリスト(那覇市)のレンタカー部門、OTSレンタカーが運営する店舗である。

 これから沖縄旅行を楽しもう。そんなはやる気持ちを抑えきれない観光客。その多くは韓国や香港、台湾などからの外国人客で、日本人客はむしろ少数派だ。店内の案内表示には中国語や韓国語もあり、中国語で日本の交通事情を解説するロボットまでいる。

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