2期目に入った黒田東彦日銀総裁が、新体制で初めてとなる金融政策決定会合を開いた。2%の物価目標の堅持は変えず、政策転換はなし。「異次元緩和」からの出口は見えないままだ。トランプ大統領の政策に警戒感が広がる米国、安倍政権の足元がぐらつく日本。逆風も吹き始めた。

<span class="fontBold">新体制初の金融政策決定会合でも政策転換はなし。2%の物価上昇目標を堅持する方針を確認した(4月27日午前、日銀本店)</span>(写真=時事)
新体制初の金融政策決定会合でも政策転換はなし。2%の物価上昇目標を堅持する方針を確認した(4月27日午前、日銀本店)(写真=時事)

 出口に向かうのか、それとも袋小路に入るのか──。日銀・黒田東彦総裁の2期目がスタートした。

 新体制下で初の金融政策決定会合を終えた4月27日、黒田総裁は前年比2%上昇の物価安定目標を堅持する考えを示した。達成にはなお距離があるため、「強力な金融緩和を粘り強く続けていく」と強調した。時期については公式な文書から削除したものの、日銀は、消費者物価上昇率が2%にたどり着くのは早くても2019年度ごろになるとみており、出口の議論はひとまず封印、現状維持の選択を優先している。

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