中小企業の資金繰りを変える世界初の仕組みが登場する。電子記録債権を使い、「過去」の実績でなく、「受注した事実」を担保にするスキームだ。赤字続きだろうが、仕事さえあれば融資を受けられる。新しい手法は日本の産業界を活性化できるか──。
中小企業にお金を貸す際、過去3年の財務諸表などを審査の材料にしてきた日本の金融機関。新しい技術やアイデアで成長する可能性を秘めていても、赤字の中小企業はそれだけで融資を受けられなかった。その現実が変わろうとしている。仕事を受注できさえすれば、その仕事で受け取れる支払い相当額の半分、もしくはそれ以上の融資を受けられる。いわば、「過去」の実績ではなく「今」の状況を反映して融資する。世界初のスキームが始動するのだ。
その名も「POファイナンス」。POとはPurchase Order(注文書、発注書)の略だ。この新しいスキームを7月から始めるのはTranzax(東京・港、小倉隆志社長)と城南信用金庫だ。Tranzaxは3メガバンクグループと全国銀行協会のみが持っていた電子債権記録業の指定をベンチャーとして初めて受けたフィンテック企業だ。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り709文字 / 全文文字
-
【春割】日経電子版セット2カ月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
【春割/2カ月無料】お申し込みで
人気コラム、特集記事…すべて読み放題
ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能
バックナンバー11年分が読み放題
この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?