東芝が進めるフラッシュメモリー事業の売却で、「盟友」から物言いがついた。決算関連では米原子力事業を巡り、監査法人との溝が埋まらぬままだ。命運を握る2者との対立が解決しない限り、上場維持は極めて困難だ。

2016年7月、東芝と米ウエスタンデジタルの首脳は四日市工場の新棟竣工式典で、仲むつまじい様子を見せていたが……

 「経営陣が東芝の意向だけで事業を売却できると考えていたのなら、見通しが甘すぎる」。東芝幹部はフラッシュメモリー事業の売却手続きの最中に飛び出してきた、ある「対立」に疑問を投げかける。

 対立相手は米ウエスタンデジタル(WD)。2000年から提携関係にあり、合弁会社を通じてフラッシュメモリー製造拠点の四日市工場を共同運営してきた東芝の“盟友”だ。関係者によると東芝が第三者に事業を売却するには同意が必要だとして、WDは4月9日付で意見書を送付。独占交渉権を与えるよう求めている。

 背景にあるのが買収合戦の過熱だ。3月29日に締め切った1次入札ではWDに加え、同業の韓国SKハイニックス、電子機器の受託製造最大手である台湾鴻海(ホンハイ)精密工業、米半導体大手のブロードコムなど10社程度が応札したもようだ。