約20年ぶりに、ドラッグストア業界の売上高トップが交代しそうだ。圧倒的な知名度を誇る王者マツモトキヨシHDを捉えるのはウエルシアHDだ。M&Aに加えて、食品販売と処方箋調剤を加えた次世代型のドラッグストアを軌道に乗せた。
東京都足立区竹の塚にある「ウエルシア足立竹の塚店」。週末の昼下がり、トイレットペーパーやシャンプーなどの日用品、酒や菓子を大量に購入する家族連れが目立つ。5歳の子供を連れて訪れた40代の夫婦は「酒やつまみを買いに毎週1回は来る。スーパーで買い忘れた調味料などを買うことも多い。薬を一緒に買って、1万円以上使う日も結構ある」と話す。
この店を経営する、ウエルシアホールディングス(HD)。ドラッグストア業界で、約20年首位だったマツモトキヨシHDの売上高を逆転しそうだ。2017年2月期の業績は、4月12日に発表予定で、売上高は6300億円、営業利益は218億円を見込む。
一方のマツモトキヨシHDは、17年3月期に売上高5550億円、営業利益280億円を見込む。第3四半期までの売上高を比較すると、ウエルシアHDが既に逆転した。
ウエルシアHDのルーツは、1965年に埼玉県春日部市にできた1軒の薬局だ。M&A(合併・買収)を繰り返して成長し、2000年には、ジャスコ(現イオン)と資本業務提携した。14年にウエルシアHDがイオンの連結子会社となった。
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