三井物産が国内外のベンチャー企業への出資にアクセルを踏み込んでいる。米シリコンバレーのベンチャーキャピタルへの出資で“目利き力”も強化。イノベーションの活性化を期待するが、「投資回収」を巡る意識の差にジレンマも。

 2018年3月期に4400億円の過去最高益を見込む三井物産。連結純利益の約7割を資源関連で稼ぐが、事業構造を変革しようとベンチャー投資を全社的に加速している。中心となっているのが、ネット関連事業など約60社に出資をしているICT事業本部だ。

 今年に入り、データの分析や整備を手掛けるAI(人工知能)関連の米ベンチャー2社に相次いで出資。米グーグルや中国バイドゥのAIプロジェクトを主導したアンドリュー・ウン氏が昨年設立したファンドにも出資した。過去1年余りで複数の米VC(ベンチャーキャピタル)に資金を拠出しており、「目利きの一部をファンドに託し、優良な案件を発掘する」(ICT事業本部戦略企画室の室谷達範次長)。