ローソンが自前銀行の設立に向け、銀行業免許の予備審査申請を決めた。運転資金を確保するために1300億円の借り入れも実行する見通しだ。ただ先輩格のセブン銀行ですら最近は伸び悩みが目立ち、設立前から前途多難な状態にある。

「コンビニ銀行の先輩」も伸び悩む
●セブン銀行の株価とATM利用件数
「コンビニ銀行の先輩」も伸び悩む<br /> <span>●セブン銀行の株価とATM利用件数</span>
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 ローソンは3月26日、銀行法の規定に基づき、金融庁に銀行業免許の予備審査を申請することを決めた。設立準備会社の発足から約1年4カ月。三菱UFJ銀行などメガバンク3行が参加する協調融資で1300億円を新たに借り入れる方針も決まるなど、2018年度内とされる開業に向け、ようやく具体的に動き出した格好だ。

 問題は肝心の「自前の銀行で何をするのか」が定まっていないこと。ローソン幹部は「コンビニエンスストアが金融をやるからには、全国1万4000店の日々の買い物との連動が大事」と話す。だが別の関係者によると「具体的な事業モデルはまだ固まっていない」というのが実情。「どうやって収益に結びつけるのか、事業内容を1つずつ検討している段階にすぎない」(同)という。

 コンビニが手掛ける金融機関として先行するのがセブン銀行だ。ローソンに先立つこと実に17年、2001年に営業を開始。法人融資や住宅ローンは取り扱わず、原則としてATMの利用にかかる手数料のみで稼いできた。セブン銀行は18年3月期に253億円の最終利益を見込み、セブン&アイ・ホールディングスにとっての大黒柱だ。

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