日本郵政が新会社を設立して不動産事業に本格参入する。野村不動産HDの買収が不発に終わったため、郵便局の跡地や宿舎などを自前で開発する方針に切り替えた。ただ、「政治との調整」「不動産市況」「グループ内の軋轢」という課題は重く、先行きは不透明だ。

<span class="fontBold">JPタワー(東京・千代田)は郵政の不動産事業の象徴となっている</span>(写真=読売新聞/アフロ)
JPタワー(東京・千代田)は郵政の不動産事業の象徴となっている(写真=読売新聞/アフロ)

 日本郵政は4月、新会社「日本郵政不動産」を立ち上げて不動産開発事業に本格的に乗り出す。マイナス金利の導入以降、郵政グループの稼ぎ頭だったゆうちょ銀行とかんぽ生命保険は苦戦続き。全国に保有する郵便局の跡地や宿舎を商業施設などに再開発し、銀行、保険、郵便・物流に次ぐ新しい収益の柱に育てたい考えだ。

 ただ、その前途には3つの重い課題が立ちはだかっている。

 「トキを焼き鳥にするようなものだ」──。現在はJPタワー(東京・千代田)となっている旧東京中央郵便局の再開発に対し、鳩山邦夫総務相(当時)がこう言ってかみ付いたのは2009年のこと。歴史ある建造物を壊すことへの反対意見が永田町から出て、再開発が一時ストップする事態となった。

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