トランプ米政権が発動した鉄鋼とアルミニウムの輸入制限で、日本製品も対象になった。だが、本当に“タフな”交渉を迫られるのは、輸入制限の適用除外になった国・地域かもしれない。高関税で圧力をかけながら、通商交渉を有利に運ぶのがトランプ流。日本の産業界も無風ではいられない。

<span class="fontBold">3月8日、トランプ米大統領は、鉄鋼・アルミの追加関税措置を決めた</span>(写真=UPI/アフロ)
3月8日、トランプ米大統領は、鉄鋼・アルミの追加関税措置を決めた(写真=UPI/アフロ)

 トランプ米政権が3月23日に発動した鉄鋼とアルミニウムの輸入制限。適用除外されなかった日本と、一時的に適用を猶予された国・地域との違いは何だったのか。経済産業省幹部が明かす。「貿易交渉相手国か、貿易黒字国のどちらかに該当している国・地域が暫定的に外された」

 確かに米政権はカナダ、メキシコとは2017年8月からNAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉を進めている。韓国とは18年1月にFTA(自由貿易協定)の再交渉を始めた。欧州連合(EU)は米欧間のFTA交渉再開を呼びかけており、今後、交渉相手となる見込みだ。一方、オーストラリア、ブラジル、アルゼンチンは米国から見て貿易黒字国。そして日本はこのいずれの“基準”も満たせていない。米側からすれば、日本を除外する理由がなかったことになる。

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