「森友問題」に端を発する政治の混乱が、株式市場に悪影響を及ぼしかねなくなっている。日本株の主な買い手である外国人投資家が、安倍政権の先行きを不安視し始めたからだ。米トランプ政権の強硬な貿易政策や政権人事が招く円高も、日本株の逆風につながっている。

<span class="fontBold">厳しい顔で国会審議に臨む安倍首相と麻生財務相</span>(写真=共同通信)
厳しい顔で国会審議に臨む安倍首相と麻生財務相(写真=共同通信)

 「日本株がこれ以上、上昇する理由は見当たらない」。昨夏から日本株を買い続けてきた米国のヘッジファンド関係者は現在、日本株売りを検討し始めていると明かす。

 理由は「森友問題」による政治の混乱だ。学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書を財務省が書き換えたことが明るみに出て、安倍晋三政権が苦境に立たされている。首相は関与を否定しているが、野党は追及を強め、世論も厳しくなっている。

 報道各社の最新の世論調査で、内閣支持率は軒並み10ポイント程度も急落。政府は佐川宣寿前国税庁長官を国会で証人喚問することで問題に区切りを付けたい考えだが、思惑通りに決着させられるかどうかは不透明だ。

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