2018年の春季労使交渉で、自動車大手が前年を上回る賃金改善を回答した。中でも目立ったのが、労働組合の要求に2年ぶりに満額回答した日産自動車。背景には「100年に1度の大変革期」に直面する経営側の危機感があった。

3月14日の集中回答日には前年を上回る回答が相次いだ(写真=Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 「組合員の中には驚きの声を上げる者も少なくなかった」。日産自動車労働組合の担当者がこう明かすのは、今年の春季労使交渉で日産が示した回答だ。賃金改善3000円の組合要求に対する満額回答。社内では「期待以上」と受け止められている。

 自動車大手の労組が3000円の賃金改善要求で足並みをそろえた今春の労使交渉。ホンダが昨年より100円多い1700円で妥結するなど、前年実績を上回る回答が相次いだ。ただ、満額は日産だけ。業績や経営計画の達成具合など自社の状況だけを見て交渉するカルロス・ゴーン会長の姿勢が大きく影響している。