働き方改革の目玉の一つとして、多くの企業が導入を進めるのが「テレワーク」だ。場所と時間を選ばない働き方は、社員の生き方にも大きな影響を及ぼす。「原則自由」な働き方を導入したユニリーバ・ジャパンでは、夫の転勤先から遠隔で働く事例も登場した。

東京急行電鉄運営のシェアオフィスで働く高尾美江さん。同オフィスの試験導入は昨年末で終了し、現在はザイマックス(東京・赤坂)などのシェアオフィスで実験中(写真=陶山 勉)

 東京・目黒にあるユニリーバ・ジャパン・サービスで働く高尾美江さん(28歳)は今年2月、転勤族の男性と結婚した。4月から夫の転勤先である名古屋に住む。ただし、「寿退社」はしない。テレワークでこれまで通り、目黒の会社に遠隔から“出社”できるからだ。

 ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス(HD)は2016年7月、働く場所と時間を原則自由とする人事制度「WAA(Work from Anywhere and Anytime)」をグループ各社に導入した。工場など一部を除き、社員約500人の8割ほどが対象。事前に申請すれば、理由は一切問わない。直行・直帰はもちろん、自宅やカフェなどどこで仕事をしても構わない。

 高尾さんが結婚できたのもこの制度のおかげ。「名古屋で別の仕事を探すことも考えたが、新卒入社から5年も頑張ってきたので辞めたくない。悩んでいた時にWAAが導入され、これなら名古屋からでも仕事ができると結婚を決めた」(高尾さん)。

 高尾さんの仕事はeコマース関連だ。同社のアイスクリーム「ベン&ジェリーズ」をネット販売する際のサプライチェーン構築などを担当してきた。今後もこうした仕事をテレワークでする。ビデオ会議システムを使い、東京に出張してくるのは取引先との打ち合わせなど最小限にしたい考えだ。