日仏の3社連合を絶妙なかじ取りで成長させてきた辣腕経営者。仏ルノーのCEO(最高経営責任者)退任の噂が出ただけで業界がざわついた。そんなカリスマ経営者がこれからの時代を生き抜く次の一手を語った。

(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

(写真=竹井 俊晴)
(写真=竹井 俊晴)
PROFILE
1954年、ブラジル生まれ、64歳。仏国立理工科大学を74年に、仏国立高等鉱業学校工学部を78年に卒業後、仏ミシュラン入社。96年に仏ルノー入社、同年副社長。99年に日産COO(最高執行責任者)に就任し業績をV字回復させた。日産では2000年社長兼COO、01年社長兼CEO(最高経営責任者)、08年会長兼社長兼CEO。09年ルノー会長兼CEO。16年12月から三菱自動車会長も兼務。17年4月には日産の社長兼CEOを西川廣人氏に譲った。

先の見えない時代。正しい結論が一つとは限らない。
市場を見極め、決断を下す。それが経営者の仕事。

 問 2月15日に開かれた仏ルノーの取締役会でCEO(最高経営責任者)続投が決まりました。次の任期の4年間で何をしますか。

 答 まず申し上げておきたいのは、私が続投したいと言ったわけではないということです。残りたいとか残りたくないとか、そういうことは私が決めるのではなく取締役会が決めることです。取締役会が『もう4年やってください』というので、あるロードマップに基づいて私はこれを受け入れました」

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