土地所有者を装い架空の売買を持ちかける「地面師」と呼ばれる詐欺グループが暗躍している。積水ハウスがマンション建設用地を巡り55億円の被害を受け、注目が高まった。不動産ブームが続く中、土地購入をライバルと競う企業が格好の標的になっている。

「地面師」というキーワードが注目を集めたのは昨年8月のこと。積水ハウスがマンション建設に向け、東京・五反田駅近くの旅館跡地を購入しようとしたが、売り手側の提出書類が偽造されたものと判明し、法務局で登記申請が却下された。他人になりすまし、無断で土地を売買する地面師による詐取事件とされ、既に代金を支払った積水ハウスは昨年7月中間決算で55億円の特別損失を計上した。
この事件を巡り積水ハウスでは、今年1月の取締役会で当時の和田勇会長が責任問題を訴え阿部俊則社長(現会長)に退任を求める展開となった。その後、退任案は成立せず、反対に和田氏が辞任に追い込まれるという内紛にまで発展している。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り919文字 / 全文文字
-
【春割】日経電子版セット2カ月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
【春割/2カ月無料】お申し込みで
人気コラム、特集記事…すべて読み放題
ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能
バックナンバー11年分が読み放題
この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?