トヨタ自動車の広報戦略が最近変化している。決算で突然モノ作りを説明するなど異例の動きが目立つ。仕掛け人は、トヨタからデンソーの副社長、副会長を経て、1月にトヨタ副社長に就任した小林耕士氏だ。豊田章男社長の意向を背景に、小林氏はこれまでにない手を次々と繰り出している。

<span class="fontBold">異例の抜擢で副社長に就いた小林耕士氏</span>(写真=共同通信)
異例の抜擢で副社長に就いた小林耕士氏(写真=共同通信)

 「トヨタの広報のやり方が最近、劇的に変わっている。仕掛け人は小林(耕士)副社長だ」。トヨタ自動車のグループ会社のある関係者は、こう声を潜めて打ち明ける。トヨタは、ここ数カ月、同社としては異例の懇談会や技術説明会を立て続けに開催している。

 2月15日には、1月に就任した新役員との懇談会を開催。女性の生え抜きで初の常務役員となった加古慈(かこ・ちか)氏のインタビューなど、合計8人の新役員と懇談する場を設けた。こうした機会はこれまでなかった。

<span class="fontBold">女性の生え抜き初の常務役員になった加古慈氏(中央)</span>(写真=Bloomberg/Getty Images)
女性の生え抜き初の常務役員になった加古慈氏(中央)(写真=Bloomberg/Getty Images)
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 さらに2月20日には、高性能モーターに使われるネオジム磁石に関する技術説明会も実施。技術説明会は通常、新車発売時に実施するものだが、今回はそれとは関係なく開いた。

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