製紙国内首位の王子ホールディングスが三菱製紙と資本・業務提携すると発表した。33.0%出資して持ち分法適用会社とする一方で、三菱製紙の社名を残し、経営の独立性も保つ。国内の紙需要減少で業界再編の必要性が指摘される中、王子HDが出資に込めた狙いは何か。
●製紙業界の出資・提携関係(数字は出資比率)

「33%か。絶妙な落としどころだな」
ある業界関係者は、製紙国内首位の王子ホールディングス(HD)と同6位の三菱製紙が2月6日に発表した資本・業務提携について、こんな感想を漏らす。王子HDが三菱製紙に約100億円出資し発行済み株式の33.0%を取得、同社を持ち分法適用会社とする内容だ。
この組み合わせに驚く声は少ない。2011年3月の東日本大震災で主力の八戸工場(青森県八戸市)が被災し、経営悪化に苦しんできた三菱製紙がここ数年、生き残りへ「片思い」を続けてきた相手が王子HDだからだ。王子HDは三菱製紙に2%を出資し、バイオマス発電事業やティッシュペーパーなど家庭紙事業で業務提携もしている。
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