日本たばこ産業(JT)が、紙巻きたばこ偏重だった戦略を改めて、出遅れた加熱式たばこを経営の柱に据える。今年1月に就任した寺畠社長による新体制は、攻めに転じる考えだが、先行きには懸念も多い。紙巻きの市場が想定以上に縮小することで、過去の巨額買収案件が減損リスクに直面する可能性がある。
「RRPを事業成長の基盤と位置づけて注力する」。2月6日、初めての決算発表に臨んだJTの寺畠正道社長は宣言した。RRPとは加熱式たばこや電子たばこのような次世代たばこを指す。今後3年間で、次世代たばこに1000億円以上を投じる考えも示した。
もともとJTは紙巻きの国内市場で6割のシェアを持っており、加熱式たばこは補完的な位置づけだった。だがここに誤算があった。米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)が、わずか3年ほどで加熱式の「IQOS(アイコス)」を急速に普及させ、昨年のたばこ市場の約1割を占めるまでになったとみられる。そこに英ブリティッシュ・アメリカン・タバコも加わり、JTの「寡占市場」を侵食しているのだ。
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