NTTドコモが2012年に69億円で買収した食品宅配大手、らでぃっしゅぼーやを10億円で売却する。非通信事業の拡大を狙った戦略の一環だったが、大きな成果を出せずに終わった。米AT&Tワイヤレス、印タタ・グループなど失敗した海外案件のみならず、国内でもM&Aでつまずいている。
「うちはそこまで軽くみられていたのか」
有機・低農薬野菜などの食品宅配大手、らでぃっしゅぼーや(東京・新宿)の関係者から恨み節が聞こえてくる。親会社のNTTドコモが、保有するらでぃっしゅ株を2月末までに同業のオイシックスドット大地に売却すると発表したことに対してだ。
1988年設立のらでぃっしゅは、全国16万世帯の会員に1万1000品目の農畜産品などを届ける。生産者と直接契約し、通常のスーパーにない食品を取りそろえるのが特徴だ。かつてはニッチとされた有機食品市場だが東日本大震災で原発事故が起きると、日本でも食の安全に対する関心が高まった。ここに目をつけたドコモが2012年にらでぃっしゅを買収した。
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