工作機械産業が未曽有の好景気に沸いている。だが、そこには想定外の落とし穴があった。需要に追いつかず部品が欠品。国内工作機械メーカーの納期にも遅れが出始めた。そんな中で浮上しようとしているのが中国メーカー。海外勢の躍進は部品の勢力図も変えようとしている。

<span class="fontBold">IoTの普及で工作機械の展示会に足を運ぶ人が増えた</span>(写真=Natsuki Sakai/アフロ)
IoTの普及で工作機械の展示会に足を運ぶ人が増えた(写真=Natsuki Sakai/アフロ)

 「昨年夏以降、部品の供給が逼迫。メンテナンス用の在庫を回さないと製品が作れなくなった。部品メーカーに改善を求めているが、状況が変わる兆しはない」──。

 1月中旬に都内で開かれた国内工作機械メーカーの会合。集まった各社のトップは共通の悩みを口にした。「軸受け」や、モノを直線状に動かすのに使う「リニアガイド」といった、あらゆる工作機械に欠かせない基礎部品が調達できず、納期に深刻な影響が出ているという。最近では「部品不足で設計変更を余儀なくされた」との声すらある。

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