政治・経済ともに予測が難しい時代に突入した今、企業間の競争もシナリオ通りには進まない。自動車からコンビニエンスストアまで、様々な業界で起きている「逆転」を、シリーズで紹介する。第1回は、株式時価総額で大接戦を演じるアサヒとキリン。M&Aや提携の巧拙が将来を左右しそうだ。

アサヒとキリンはデッドヒートを演じている
●2社の株式時価総額
注:月末時点。2017年2月は13日時点

 「改革の手は今後も打ち続ける」。キリンホールディングスは2月13日、2016年12月期の連結決算を発表した。本格的な経営改革に着手した1年目の成果について、磯崎功典社長は一定の自信を示しつつ、こう明言した。

 最終損益は1181億円の黒字。前の期に不採算のブラジル事業で約1100億円の減損損失を計上し、473億円の最終赤字だった状況から大きく改善した。オランダのビール大手ハイネケンにブラジル事業を売却し、ミャンマーのビール大手、マンダレー・ブルワリーを買収することも発表した。

 ただ低収益の懸案事業である、国内清涼飲料事業については同日、コカ・コーラグループと交渉していた資本提携を断念すると発表した。今後は原料の調達や物流など、業務面だけでの提携交渉となる。踏み込んだ収益改善ができるかどうか、不透明感が残った。

 翌14日のキリン株は3%の下落。一方、アサヒグループホールディングスは翌日の決算発表を控え、14日の株価は前日比で3%安だった。14日時点の時価総額はキリンが1兆6630億円、アサヒが1兆8966億円。アサヒがキリンを2300億円余り上回っている。