主要3月期企業による2016年4~12月期決算の発表がピークを迎えた。為替相場が円安に戻り、米中の需要も堅調。足元の業績は底堅い内容となった。一方、通期の業績予想は控えめに出す企業が目立つ。トランプ米大統領の「日本批判」への警戒が強まっている。

<b>2016年4~12月期の決算発表がピークを迎え、報道各社の棚に資料を配る企業の担当者(1月31日)</b>(写真=共同通信)
2016年4~12月期の決算発表がピークを迎え、報道各社の棚に資料を配る企業の担当者(1月31日)(写真=共同通信)

 主要3月期決算企業の2016年4~12月期決算が発表され、業績の回復基調が鮮明となった。

 昨年、一時1ドル100円を突破する水準まで円高が進んだ為替市場では、米大統領選を境に円安が進むようになった。米国や中国・アジア市場の需要も堅調で、輸出関連企業を中心に業績が回復傾向にある。

 大和証券によると、東証1部上場企業の2016年10~12月決算は、営業利益が前年同期比5.4%減。しかし決算期前の予想に比べ1.9ポイント改善している。企業業績は一足早く春の兆しが訪れたかのようだ。

 しかし個別に決算内容を見てみると、企業は先行きを楽観視はしていない。トランプ米大統領がたびたび日本を名指し批判するため、決算期末の3月末までに波乱が起きる可能性に備えているためだ。

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