日本の独自規格が標的に?

 完成車メーカーも自身に降りかかる火の粉を事前に振り払おうと躍起になっている。

 ホンダは30日、米ゼネラル・モーターズ(GM)と合弁でFCV(燃料電池車)向け燃料電池システムの生産子会社を米国に設立すると発表した。投資総額は8500万ドル(約97億円)で、両社が折半する。

 米ミシガン州にあるGMの工場に新ラインを設置し、2020年から量産を始める。ホンダは発表で、量産開始時にGMの従業員として約100人の雇用を米国で新たに生み出すことを強調。さらに将来的に燃料電池の生産を日本国内から米国に一本化するとの意向も明らかにし、米国経済への貢献をアピールした。

 1月初旬にはトヨタ自動車の豊田章男社長が、今後5年間に米国で100億ドル(約1兆1500億円)を投資する計画を北米国際自動車ショーで表明。「当初から決まっていた投資」(同社幹部)とするが、トランプ大統領がツイッターでトヨタを名指しで批判したことを受け、「急きょ、講演に具体的な数字を組み込んだ」(同)という。

 独コンサルティング大手、ローランド・ベルガーの長島聡氏によると、日米の2国間交渉で焦点になりそうな項目の一つに「日本独自の規格」がある。複数のメーカーが同じ部品を使用する「部品の共用化」が進む欧米勢に対し、日本の自動車メーカーは「メーカーごとに個別の規格がある」(長島氏)。これが、米国の部品メーカーが日本の完成車メーカーと取引を拡大することを妨げていると見なされれば、日系自動車メーカーに対して部品の共用化を強要してくる可能性がある。そうなれば、日系部品メーカーのビジネスにとり、大きな痛手になりそうだ。