全国の百貨店の売上高が、3年ぶりに前年比でプラスに転じた。しかし、店舗閉鎖分を数値に反映した「全店ベース」では4年連続で減少が続く。婦人服不振など百貨店の構造問題は解決しておらず、再生には抜本的な改革が必要だ。

<span class="fontBold">今年も年明けからのセールは好調だったが、百貨店の構造問題は解決していない</span>(写真=dowell/Getty Images)
今年も年明けからのセールは好調だったが、百貨店の構造問題は解決していない(写真=dowell/Getty Images)
化粧品と宝飾品以外は軒並み苦戦
●全店ベースの百貨店売上高と商品別増減率
化粧品と宝飾品以外は軒並み苦戦<br /> <span>●全店ベースの百貨店売上高と商品別増減率</span>
注:日本百貨店協会調べ
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 前年比で3年ぶりのプラス──。日本百貨店協会がまとめた2017年の全国百貨店売上高は、前年比0.1%増となった。

 だが、この「前年比」はあくまで既存店が対象で、現時点で残っている店を比べた数字をまとめている。つまり、閉鎖した店舗があった場合は、比較対象からその分を引いたうえで計算する。

 一方、閉鎖した店舗を含めた「全店ベース」で比較すると、前年比0.4%の減少で、5兆9533億円。4年連続でマイナスとなっており、百貨店の業況が回復してきたとは言い難いのだ。

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